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口臭関連情報

水分補給

お茶の飲みすぎや常飲への注意点


お茶はカテキンによる防臭効果が知られています。カテキンは、ポリフェノールの一種で、以前はお茶の弊害と考えられていたものです。小さいころは「胃に悪いのでお茶はたくさん飲むな」と教えられたくらいです。カテキンに代表されるポリフェノール類は、その名のとおり、いくつかのフェノールが結合した有機化合物で、たんぱく質を凝固する作用により殺菌性を有しています。殺菌性を持つものは菌に障害を与えると同時に、程度を越すと生体組織にも有害であることを知っておく必要があります。
したがって、お茶は緊張を緩和し一時的口臭を抑制する優れた飲み物ですが、程度を越えて常飲するとそれなりの弊害もあることをわきまえて楽しむことが大切です。

私は治療という見地から、多くの口臭の原因として安静時唾液流量等の確保は必須であると考えています。 多くの患者さんに唾液分泌の低下が観察され、そのためには機能の改善と同時に原料である水の確保が非常に重要になります。 この唾液原料としての水分を供給する材料としては水が最適で、多くの場合一定量を飲んでもらうために、水を推奨しています。

偶然にも水を飲むというステップは、アメリカの口臭治療を成功させた先生方も同じ結論に徹していることは興味深いことです。

さて、なぜお茶をたくさん飲むと唾液が出にくくなるかということですが、治療においては一日あたり、1.2リットルの水を供給してもらいます。

これをお茶で代行したとすると、かなりのテオフィリン・あるいはカフェインを取り込むことになります。 これらのテオフィリンやカフェインなどは、交感神経を興奮させる作用があります。口腔生理機能に自律神経系の働きが非常に大きな影響を与えます。唾液を分泌させるのは副交感神経ですから、交感神経支配になってしまうと唾液は逆に抑制されてしまいます。したがって、お茶は唾液分泌には抑制的だということです。

また、お茶には利尿作用があることが知られています。多くの利尿作用のある薬物は、副作用として口が渇く・・
つまり、唾液分泌に対しては抑制的に働くことが多いです。水分を取り込んでも尿として排出されてしまうからです。 さらに、カテキンなどのポリフェノールの見地から考えてみると、これらは蛋白凝固作用があると前述しましたが専門的にはアルカリフォスフォターゼ活性を賦活化して殺菌効果をあらわすので、唾液自体の酵素も抑制されてしまいます。
したがって、お茶の飲みすぎは唾液の性能の低下を招くでしょう。


お茶が唾液分泌を抑制することを知る実験としては、しゃべりすぎたり歌いすぎて唾液不足になったときに、濃いお茶を飲んでみると良いでしょう。さらに口腔内は乾いた状況になり、しゃべることはできなくなります。 したがって、国会の演説のときも水が用意されているのです。演者は口が渇いてしゃべれなくなったときにお茶ではなく水を飲むのです。水はすぐに唾液に還元されるからです。
もっとも、演説が終わってほっとするときはおいしいお茶が最適です。

以上の見地から、お茶についてはその特性を知り、上手に飲むと緊張を緩和して口臭抑制に有効であるが、唾液確保の見地からは飲みすきないことも重要ということです。
唾液を確保するという見地からの飲み物は水が最適です。緊張を緩和し一時的口臭抑制には一服のお茶ということです。

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